Dr. stasia's music library

病棟はりつけDr.のCD備忘録

Bon Jovi / Slippery When Wet

中学生の頃,友人とレコードをあさりに,よく渋谷のセンター街の交番の前にある,Disk Unionの地下に放課後遊びにいっていた.今ほど情報もない.友人と自分の知識を併せて,お互いの音楽的偏見を語りながら,あれがいい,これはいまいちととにかくあさっていた.しかし小遣いには限りがある.殆どは新譜CDに消えるので,残りはわずか.そんな中で中古盤に手を出すのは自然な流れであろう.その店の中古盤コーナーにあるCDは,前回来たときと比べて何が入荷して,何が売れたか(あるいは何が売れ残っているか)覚えるほど通っていた.

しかし中古でもCDはまだ高かった.だがLPは安いのである.幸い家にはレコード・プレイヤーがあった.聴くときは専らカセットテープにダビングしてであったが,SONYのフルサイズ・コンポで,録音レベルを併せて録音すれば,驚くほど良い音質で録音できることを知っていた私には,CD程の高音質ではなくても十分愉しむことができた.

そんな中200円という驚きの価格で「Bon Jovi / Slippery When Wet」の中古LPをみつけた.興味がなくても買ってしまうレベルである.しかも友人の「あ,これおすすめだよ」というお墨付きである.その時点でBon Joviを聴いたことはなかったが,思わず買って帰った.

「You Give Love A Bad Name」や「Livin' On A Prayer」といった名曲はもちろんであるが,中でも「I'd Die For You」がいちばんのお気に入りとなった.イントロの印象的なキーボードと,わかりやすいギターのメロディに魅了された.私もちょっと情緒不安定であった所為もあろうか.すさまじい内容の歌詞にも没頭した.時期をやや遅くしてエレキ・ギターを手にした私が,この曲を練習したのは懐かしい思い出である.

勧めてくれた友人には感謝である.先述のFirehouseを私に教えてくれた彼である.彼とは高校卒業を最後に交流がないが,いまもHRをきいているだろうか.