Dr. stasia's music library

病棟はりつけDr.のCD備忘録

Rainbow / Long Live Rock'n'Roll

音楽を聴くことを能動的に行う様になったのはいつのことであったか.

小学校高学年の頃,中学受験のため,地元から電車で30分ほどの町の塾に通うようになった.放課後は塾に通い,日曜日は塾のテストが毎週あり,自然と小学校の同級生と学校の外で遊ぶことは少なくなっていった.小学校の同級生たちは音楽に興味を持ち始めていた.アイドルや,バンドや,でもまだそれほど多様性には富んでいない,趣味であったはずだ.私はそんな波に乗らなかった.

中学に入学した.そんな頃にCDプレイヤーが家にやってきた.SONYの大きくて重い,CDラジカセであった.一緒にやってきたCDは杉田二郎キョンキョンであった.クリアな音に驚かされたが,音楽に興味はあまり抱かなかった.母親の聴いていたCARPENTERSを,何となく聴いていた.

入学した中学は中高一貫校であったため,クラブ活動では高校2年生から中学1年生まで,同じ空間で接することとなった.そんな中で,私にカセットテープを貸してくれた3つ上の先輩がいた.DEEP PURPLE BESTという,渋谷かどこかで買ってきた海賊版のダビングであった.音はやはりいまいち.でもそこからきこえてくる音楽に,私は心を奪われた.その先輩に聴かされて,最初に買ったCDが「Rainbow / Long Live Rock'n'Roll」であった.

きいたことのないほど速い「かっこいい」音楽に惹き付けられた.それがRitchie Blackmoreのギターで,Ronnie James Dioのヴォーカルであったと知ったのはだいぶ後のことである.

「Kill The King」はその筋では未だにカヴァーされ続ける有名な曲であるが,それ以外,「Gates of Babylon」のやや東洋的なメロディも,いまや古くさく感じられる「Sensitive To Light」のリフも,独特のシャウトから始まる「Long Live Rock'n'Roll」も全てが新鮮で,毎日毎日聴いた.それは今も少なからず覚えている感覚だ.

このアルバムが発表されたのは1978年である.1978年生まれの私が,13歳の時に聴いて新鮮に感じた,というのはRainbowの凄さであろうか.